ブラジルで指導者修業 FC琉球 元通訳・平安山良太さん


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サッカーで「県民を幸せに」という願いの実現を目指す平安山良太さん=東風平運動公園

 2015年の年末にブラジルから戻り、今年1月からFC琉球でポルトガル語の通訳を務めていた平安山良太さん(26)=名護市出身=が、サッカーの指導者として修業を積むため、6月末から再びブラジルに渡り、世界的強豪・コリンチャンスでアシスタントコーチを務める。「原点は沖縄」と言い切り、いずれは「FC琉球の監督としてクラブワールドカップで優勝したい」と明確な目標を持ち、突き進む。

 13年の大学卒業後、東南アジアなどでコーチの研修を経て、同年9月にブラジルに渡った。指導者としての経験を積むうちに徐々にポルトガル語も習得した。

 ブラジルではポルトガル語でサッカーを指導したが、沖縄に戻り琉球で通訳する時は、自分の言葉ではなく他人の使った言葉を訳すため苦戦した。「大変だったが表現力が上がった。日本とブラジルがどう接したらチームの雰囲気が良くなるかを考え、経験値も上がった」。「楽しかった」と振り返る琉球で通訳をした半年間の経験は、確実にプラスになった。

 再びブラジルに渡り、沖縄のチャンプルー文化を大事にした上で、“サッカー王国の強さ”をさらに吸収していく。

 「県民に幸せになってほしい」という願いを好きなサッカーで実現することを目指す平安山さん。「FC琉球があることを沖縄の誇りにしていきたい」と意気込み、サッカーで沖縄の観光や経済の活性化、幸福度の向上までも狙う。将来的には「日系ワールドカップを沖縄で開催したい。ブラジルの日系人のチームとFC琉球や沖縄の高校サッカーなどと試合して交流したい」と夢は膨らむ。原点の沖縄のために奮闘する平安山さんの挑戦は続く。(崎原有希)