「ハイサイ探偵団」 金融“進出” 人気ユーチューバー 海銀とコラボ 


この記事を書いた人 新里 哲
沖縄海邦銀行とのタイアップ動画を配信する「ハイサイ探偵団」の(左から)武Cさん、ひっちゃんさん、孫六さん=7日、琉球新報社

 動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」に、独自に作成した動画を投稿して多くの視聴者を集める「ユーチューバー」が話題となる中、沖縄発のユニークな企画で笑いを発信する集団「ハイサイ探偵団」が人気を呼んでいる。チャンネル登録者数は12万人を超え、その勢いは海を越えて米大リーグで活躍するダルビッシュ有選手から「番組見てます」とSNSでメッセージが届いたほど。人気に目を付けた沖縄海邦銀行が提携に乗り出し、タイアップ動画が15日から配信される。

 ハイサイ探偵団は、うるま市の幼なじみや先輩後輩の関係でつながりる20~30代の男性メンバーが、外来の巨大魚を釣りに出掛けたり、ハブをつかまえてハブ酒にしたり、成人式に突撃して新成人をインタビューしたりと、沖縄各地に繰り出していく。メンバー同士のゆるいトークなどが中高生を中心に話題となり、国内最大のユーチューバーマネジメント会社UUUMにスカウトされた。

 リーダーのひっちゃんさんは「携帯で撮ったムービーをネットに保存する目的でアップしたのが始まり。ローカル放送のバラエティー番組っぽく編集したら、再生数が増えていった」と語る。武Cさんは「ユーチューブの強みはスマホでいつでもどこでも手軽に視聴できること。沖縄のいいところを内地に発信したい」と意気込む。

 海銀は3月に、ふくろうをモチーフにしたSNSキャラクター「かいホーくん」を主人公にして、金融経済教育アプリ「クイズ・かいホー伝説」を開発した。スマホを通じて若年層に金融知識を広げていこうという狙いだが、現在までのダウンロード数は約1500件。「もっと若者の認知を高めるにはどうしたらいいか」と検討し、UUUMを通して「ハイサイ探偵団」に白羽の矢を立てた。

 15日配信のタイアップ番組では、メンバーの武Cさんと孫六さんが「かいホー伝説」のクイズ対決に臨み、クリアしたステージに応じて獲得した食材による料理対決へなだれ込む。

 海銀本店営業部の高良彦行次長は「ユーチューバーとのコラボは全国の銀行でも初めて。堅いイメージがある銀行を若い人に浸透させると共に、沖縄で頑張るクリエイターの応援にもなる」と語る。孫六さんは「銀行に足を運ぶ間口を広げられるといい。県内の企業とコラボできることがうれしい」と喜んだ。

 ユーチューバーとして人気を獲得すると、視聴数に応じた広告料収入や企業との提携によって生計が成り立ち、SNS時代の新たな“職業”として注目を集める。「自分たちの収入なんか、ダルビッシュさんのストライク3個分くらい」(孫六さん)「目標はストライク6球。2アウトを取りたい。もっと有名になってテレビのローカル番組を持ちたい」(ひっちゃんさん)と屈託がない。