離島患者宿泊支援 がん割引利用、わずか1件 県制度、利便性に課題


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 離島・へき地のがん患者を対象に2014年7月に始まった、沖縄本島で放射線治療を受ける際の宿泊費割引制度の利用がこれまでに1件しかなかったことが分かった。7日の県議会一般質問で、砂川靖保健医療部長が座喜味一幸氏(沖縄・自民)に答弁した。

 同制度が利用されたのは15年度1件、14年度はゼロだった。県は制度の対象となっている宿泊施設から病院へ通うのが不便なことや、入院する患者が多いことが要因とみている。砂川部長は「離島在住者の負担を軽減するため、さらなる方策を検討したい」と述べた。

 同制度は、県と県ホテル旅館生活衛生同業組合が14年に結んだ「離島へき地のがん患者等の宿泊支援に関する協定」に基づき、同組合加盟施設で、放射線治療を受ける患者や付添人の宿泊費を30~50%割り引く。