県系3世チバナ選手 ブラジル代表で五輪出場 男子柔道


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
チャールズ・チバナ選手に贈る県章や氏名入りの黒帯と読谷山花織のお守りを親族に託した、読谷村の石嶺伝実村長(前列右から2人目)ら=5日、村役場

 【読谷】読谷村は5日、リオデジャネイロ五輪の男子柔道66キロ級にブラジル代表で出場する、県系3世のチャールズ・チバナ選手に黒帯と読谷山花織のお守りを贈呈した。

 チバナ選手の祖父母は読谷村出身で、約60年前にブラジルに移住したという。村役場で同日開かれた贈呈式には、親族関係者らが出席。親族らは「五輪で金メダルが取れるよう、沖縄から祈っている」と激励の言葉を贈った。

 チバナ選手と柔道の出合いは幼少期だった。「父親のマリオが柔道をやっていたことから、チャーリーも小さい頃から自然と柔道を始めるようになった」と親族は語る。チバナ選手は4人きょうだいの末っ子で「チャーリー」の愛称で親しまれている。親族の儀間成美さんは「やんちゃないたずらっ子で、走り回って、よく怒られていた」とチバナ選手の思い出を笑顔で話す。 

 10年以上前にチバナ選手が読谷村に来た際、柔道の稽古をした読谷少年柔道クラブの新垣盛雄監督は「3~4週間だったが、チャーリーの身体能力の高さや闘争心の強さを垣間見た」と幼少期の印象を語る。「五輪選手が読谷村から出てほしいと願っていた中、チャーリーの出場が決まり、非常に喜んでいる。金メダルを願っている」と活躍を期待している。

 石嶺伝実村長は「試合時間が合えば、ぜひ施設を活用してパブリックビューイングも実施したい」と、遠いブラジルにいるチバナ選手へエールを送った。

 五輪大会を目前に控え、村から「知花」と漢字の刺しゅうや県章、村章が入った黒帯と、読谷山花織のお守りが親族へ贈呈された。読谷少年柔道クラブからは激励金が贈呈された。贈呈品は親族を通じてチバナ選手へ手渡される。

 親族の山内トヨさんは「こんなに多くの方に応援され、チャーリーは私たちの誇りだ。金メダルが取れるよう沖縄から祈っている」と話した。