永さんは「ハートの人」 沖縄県内関係者 人柄しのび、感謝


社会
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「ここが地球の真ん中です」をテーマに、街づくりについて講演する永六輔さん=1993年10月26日、浦添市社会福祉センター

 放送作家・作詞家の永六輔さん(享年83)の悲報を受け、県内の関係者はその教えをかみしめながら「影響を受けた」「見事な人生だった」と惜しんだ。

 放送人・作詞家の上原直彦さん(77)は「永さんはラジオ大好き人間で、僕もこういう風にラジオをやっていきたいと影響を受けた」と尊敬の念を示した。「『東京からは沖縄が見えないが沖縄からは東京が見える』という彼の名言がある。実際にその土地の風土に触れないと、物が見えない。足で稼ぎ、ハートで感じてきた人だ。僕より沖縄のことを知っていたかもしれない」と評した。

 永さんがよく「日本列島、ここが真ん中」と語ったことに触れ「自分のいる所を大切にしろ、地方の人間として自分をよく見詰めろと教えてくれた」と感謝した。

 20年余り共にラジオ番組をしていた琉球放送ラジオ局カンパニー長の比嘉京子さん(58)は「自分の引き出しを増やすことで、しゃべりと人生が豊かになることを教えてくれた。彼は電波の先にいる人の息づかいまで感じ取ろうとしていた。深々と頭を下げ、感謝の気持ちで送りたい」と話した。

 永さんを招いて講演会を開いていた佐喜眞美術館の佐喜眞道夫館長(70)は「見事な人生だった。拍手を送らなければ」と話した。「講演会は来場者の表情が分かる規模で開くことにこだわっていた。私から講演を依頼したのに『僕がやらせてもらっているんだ』と言って、一度も講演料は受け取らなかった」と述べ、永さんの人柄を振り返った。