台湾から“ファミマ留学生” 夏休みに就業体験


この記事を書いた人 志良堂 仁
沖縄ファミリーマートで働きながら日本語能力の向上に取り組む文藻外語大学の(左から)葉さん、周さん、林さん=12日、那覇市のファミリーマートおもろまち二丁目店

 沖縄ファミリーマート(那覇市、野崎真人社長)は台湾の文藻(ぶんそう)外語大学と提携し、夏休みを迎えた学生を8月末までアルバイトとして受け入れる留学生インターンシップ(就業体験)を実施している。日常の会話や接客応対を学生に実体験してもらい、日本語によるコミュニケーション能力向上の機会を提供する。沖縄ファミマ側も「中華圏来店客の多い店舗のインバウンド対応戦力」と歓迎しながら、日本語能力にたけた外国人人材の採用につなげる将来的な人事戦略も見据えている。

 人手不足のコンビニ業界では外国人留学生をバイト採用する店舗も増えているが、今回のインターンシップは、現地大学と企業が提携することで日本での一定期間の就業が認められる「特定活動ビザ(サマージョブ)」による受け入れとなっている。

 沖縄ファミマが直営する那覇市のおもろまち二丁目店では、4日から文藻外語大日本語学科2年の林凱瑩さん(22)、葉佳瑜さん(21)、同1年の周世涓さん(19)がカウンターでの接客や商品棚の補充の業務に就いている。

 全員来沖は初めて。台湾でもコンビニ勤務の経験がある林さんは「『いらっしゃいませ』と大きな声で来店客を迎えるところは日本と台湾で違う」と語り、「日本のドラマなどが好きで日本語を学んだ。将来は翻訳の仕事に携わりたい」と笑顔を見せる。

 沖縄ファミマは今回5人の女子学生を受け入れ、外国人観光客の利用が多い国際通りの「REXA RYUBO店」にも2人を配置している。

 県内では企業が特定活動ビザを申請するのは珍しいといい、沖縄・台湾交流振興会(平田久雄会長)と共に2年をかけて準備を進めてきた。沖縄ファミマ総務人事部の當間重政部長は「これからは沖縄のコンビニも外国人が大きな顧客となるのに合わせ、グローバルな人材が必要になる」と留学生インターンシップの意義を語った。