撤去要求で一時騒然  沖縄・北部訓練場のヘリパッド建設 機動隊が市民ら排除


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
ヘリパッド建設に反対する市民と機動隊や沖縄防衛局の職員らがもみ合い、騒然とするN1ゲート前=16日、沖縄県東村高江

 沖縄県の国頭村と東村にまたがる米軍北部訓練場のヘリパッド工事に関し、同訓練場のN1ゲートで16日午後2時ごろ、沖縄防衛局の職員18人が、ゲート前に止めている車の撤去を求める要請文を市民らのテントや車に貼った。車はヘリパッド建設に関わる資材搬入を防ぐために、市民らによって止められている。要請文の受け取りを拒否した市民ら約40人と防衛局職員18人、さらに居合わせていた県警機動隊の約60人が、もみ合う場面もあり、現場は一時騒然とした。

 座り込みを続けている佐々木弘文さん(40)によると、11日の資材搬入開始後、機動隊はメインゲートで市民らの排除をしていたが、N1ゲート前で市民らを排除するのは初めて。

 午後2時ごろ、機動隊約60人を乗せたバス2台を含む車両がN1ゲートに現れた。市民らが「何しに来た」と質問すると、機動隊が市民らをゲート前から排除すると同時に、沖縄防衛局の職員が要請文を市民らのテントや車に貼り付けた。貼られた紙を取り外し、抗議をした市民らを機動隊が取り押さえる場面が相次ぎ、約4時間にわたってにらみ合う場面が続いた。

 佐々木さんは「防衛省は『要請した』という既成事実をつくりたかったのではないか。おそらく防衛省と機動隊の今回の動きは、本格化する工事の予兆なのではないか」とヘリパッド建設工事再開に警戒感を強めた。