神奈川で26年ぶり組踊 「執心鐘入」3年の成果


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川崎沖縄芸能研究会が26年ぶりに上演した組踊「執心鐘入」=横浜市鶴見公会堂

 【神奈川】川崎沖縄芸能研究会(名嘉ヨシ子会長)の組踊研修部(下地健士部長)は、17日、横浜市の鶴見公会堂で、第1回研修発表会を開き、組踊「執心鐘入」を上演した。26年ぶりの組踊上演に、沖縄県人会関係者や芸能ファンなど多くの人が詰め掛け、大きな拍手を送った。

 川崎沖縄芸能研究会は1949年に発足し、51年から沖縄芸能大会を主催して組踊を上演してきたが、90年を最後に途絶えていた。組踊を復活させようと2013年に組踊研修部を開講し練習に励んできた。沖縄県から、立方指導に琉球舞踊宮城流教師の宮城茂雄さんと地謡指導に野村流音楽協会師範の仲村渠達也さんの2人を月に1度招き、3年間練習を積んできた。

 舞台は、「かぎやで風節」の斉唱で始まり、組踊「執心鐘入」を演者を入れ替えて2度上演した。地謡、立方総勢36人が参加した舞台が終わると会場を大きな拍手が包んだ。

 組踊研修部の下地部長は「一から教えてくれた2人の先生に感謝する。月に1度の約束だったが、月に何度も沖縄から来てくれて熱心に教えてくれた。組踊を継続させるためさらに研さんを積んでいく。きょうがスタートだ」と成功を喜んでいた。指導した宮城さんは「3年の努力が実を結んだ。沖縄とは違い組踊の環境のないところで、唱えや所作など、よく練習したと思う」と喜び、三線など音楽を指導した仲村渠さんは「この日を迎えることができてよかった。再上演したことに大きな意義がある」と話していた。