辺野古、国あす県を再び提訴 知事「非常に残念」


この記事を書いた人 金城 美智子
普天間飛行場負担軽減推進会議と政府・沖縄県協議会を終え、記者の質問に答える沖縄県の翁長雄志知事=21日午前、首相官邸(共同)

 【東京】沖縄の基地負担軽減などを話し合う政府・沖縄県協議会が21日午前、首相官邸で開かれ、国側は県を相手取り新たな訴訟を起こす方針を伝えた。米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事の決定を巡り、政府が出した是正指示に従わないのは違法だとして、翁長知事の不作為を問う違法確認訴訟を22日に提起する。県と国は再び法廷闘争に入ることになる。

 翁長知事は国の提訴について「非常に残念だ」と強調。「国地方係争処理委員会の判断にそぐわないのではないか」と述べ、係争委が協議を促したことを踏まえ政府の対応を疑問視した。
 協議会に先立ち、県と政府が米軍普天間飛行場の2019年2月までの運用停止(5年以内の運用停止)について話し合う「普天間飛行場負担軽減推進会議」も開かれた。同会議では今後、詳細を議論するために作業部会を設置することが決まった。
 両会合は冒頭のみ報道陣に公開された。公開部分で翁長知事らの発言はなかった。終了後、翁長知事が会見し、政府の新たな訴訟方針が県側に伝えられたことを明らかにした。
 政府の是正指示を巡っては審査した国地方係争処理委員会は指示の違法性を判断せず、県と政府に継続協議を促した。そのため、県側は話し合いによる解決を重視して協議続行を求めており、県側は21日が期限の取り消し訴訟の提起見送りを決定している。
【琉球新報電子版】