沖縄防衛局、こっそり進入路追加へ 市民による監視、手薄な場所 高江


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 【東・国頭】米軍北部訓練場に新設する予定のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設予定地となっているN1地区で、沖縄防衛局が21日までに、工事車両の進入を阻止するため市民らが多く座り込む正面ゲートとは反対側にある通称「N1裏」から工事車両が入れるよう手続きを済ませていたことが分かった。防衛局はヘリパッド建設を予定しているH地区やG地区のゲートでも工事車両を入れる方法や、どのように資材を搬入するのか検討しているとみられ、市民らの反対をよそに工事を急ぐ構えだ。

 防衛局は11日、管理者の沖縄森林管理署に対し、ヘリパッド移設工事の資材運搬などで道路を使う「工事用道路使用」を申請した。同管理署は14日にN1地区のヘリパッド建設予定地への入り口となる約700メートルの区間について、工事用道路としての使用を承認した。

 N1裏ではヘリパッド建設に反対する市民らがテントを設置し、少人数による交代で工事の動きがないか監視している。防衛局は県道70号沿いのN1地区ゲートに比べ、N1裏は座り込む市民も少なく、車両も入りやすいと判断したとみられる。

 同管理署によると、防衛局が工事で使用することに承認を求めた区間は、1993年に米軍から返還された部分。市民らがテントを設置している部分とも重なるという。同管理署が承認したことにより、今月14日から2017年9月30日まで防衛局が管理することになった。

 沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんは「防衛局が警察に排除を要請し、N1裏のテントも排除しようとする可能性がある」と指摘。「工事用道路の使用許可申請は、工事が終わったら原状回復が条件だが、回復させるとは思えない。せっかく返還された土地が、再度また米軍基地になる」と批判した。