機動隊ともみ合い3人救急搬送 防衛局、資機材を次々搬入


この記事を書いた人 金城 美智子
ヘリパッド建設に反対する市民らともみ合う機動隊=22日午前7時ごろ、東村高江

 【東・国頭】東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設工事を22日着工した沖縄防衛局は同日、市民がN1地区ゲート前に止めていた車両やテントなどを午前11時すぎまでに撤去してゲートを開け、資機材を搬入した。市民は車両の撤去などに抵抗したが、数百人の機動隊に排除された。もみ合いの中でけがをしたり、体調を崩したり、救急車で搬送される人などが相次いだ。

 N1地区ゲートでは22日午前5時すぎに機動隊がゲート前で市民の排除を始めた。市民をゲート前から閉め出した後、市民がゲート前に置いた車両や県道70号の中央付近にハの字形に並べた計150台以上の車両を次々に道路脇に移動させた。
 ゲートのすぐ前に止めていた街宣車の上では、車両の上で抗議行動をしていた市民らを機動隊員が排除する際、怒号が飛び交ったり、車両から落ちそうになったりする人がいるなど、混乱した。機動隊員とのもみ合いの際、けがなどをし、少なくとも3人が救急搬送された。
 ゲート前の車両が撤去された同日正午すぎ、3台のバスで民間警備員50人以上を含む沖縄防衛局職員らがゲート前に到着。警備員がゲート前にずらりと並び、防衛局職員が周辺の草木などを刈る作業を始めた。その後、重機やプレハブ、簡易トイレ、鉄パイプ、コンクリートブロックなどを積んだ作業車15台を含む36台が現場に到着。午後2時すぎに続々とゲート内に入っている。
 様子を見守った住民や支援者らは「数の力で押し切ろうという暴力だ」と政府の強硬な姿勢を批判。「これは始まりであって終わりではない。決して諦めない」など抗議行動の継続を誓っていた。
【琉球新報電子版】