国が再び沖縄県提訴 辺野古、違法確認求める


この記事を書いた人 新里 哲

 政府は22日、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、埋め立て承認取り消しに対する国の是正指示に翁長雄志知事が応じないのは違法だとして、福岡高裁那覇支部に不作為の違法確認訴訟を起こした。第1回口頭弁論は8月5日に開かれる。国が地方自治体に不作為の違法確認訴訟を提起するのは、2012年の地方自治法改正で制度が設けられて以来初めて。

 新基地建設に関する県と国の対立は代執行訴訟での和解成立から4カ月余りで再び法廷闘争に突入する。協議による解決を求めていた県と国の対立が深まるのは必至だ。

 一方、菅義偉官房長官は会見で「(訴訟と話し合いを並行して進める)和解条項に基づいて手続きが進んでいる証しだ」と、和解条項の範囲内であることを重ねて強調した。

 22日午前9時ごろ、多くの報道陣が待ち構える中、那覇地方法務局の職員2人が訴状を高裁那覇支部に提出した。今回も代執行訴訟を和解に導いた多見谷寿郎裁判長が訴訟を指揮する。国の是正指示や知事の承認取り消しの適法性が審理される。

 国の是正指示に対して、県が審査を申し出た国地方係争処理委員会は違法性を判断せず、県・国双方に協議を促す結論を出した。そのため県は21日が提訴期限だった是正の指示の取り消し訴訟を提起せずに、話し合いの継続を求めていた。