「子の声、受け止めて」 貧困対策キャラバン、当事者ら討議


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「子どもの貧困対策全国キャラバンin沖縄」で子どもの目線に立った支援の在り方を提起する登壇者ら=23日、那覇市の沖縄船員会館ホール

 「子どもの貧困対策全国キャラバンin沖縄」(公益財団法人あすのば主催)が23日、那覇市の沖縄船員会館ホールであった。「子どもの声を地域の大人で受け止める」をテーマにした討議では、児童養護施設で生活した経験のある金城さや佳さんが登壇した。金城さんは子どもの貧困対策の中で、将来への投資との言葉が多用されることに疑問を示し「社会的な成果を(子どもに)挙げてもらいたいから支援するというのは違う」と指摘。大人の一方的な期待が子どもを苦しめると強く訴えた。

 キャラバンは子どもの貧困対策への理解を深め、子どもの声を聴いて国の政策に反映させることを目的に、沖縄を含め全国6県で開催される。23日は延べ105人が参加した。午前の討議はテーマ別に2度開き、子どもの育ちに関わる支援者、行政職員、高校生ら8人が登壇した。

 貧困対策のプラットホームと位置付けられる学校の在り方については、校則優先の考え方が、生徒の排除につながるとの指摘が出た。高校2年生の秋吉千國さんは、髪の毛を染めていると教師に言われ「地毛申請」という文書提出を求められた経験を振り返り「髪も染めていないし、染めていたとしても誰にも迷惑は掛けない」と訴えた。

 しんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄の秋吉晴子代表は、男女の賃金格差から生じる「女性の貧困」が子どもの貧困の根底にあるとし、賃金格差解消や育児休業など各種制度が利用しやすい就労環境づくりを求めた。