公立小中学校の耐震化、沖縄最下位87% 全国は98%


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 文部科学省は26日、全国の公立小中学校の校舎など11万7327棟のうち、震度6強の地震に備えて耐震化された建物の割合が、4月1日時点で前年比2・5ポイント増の98・1%(11万5099棟)になったと発表した。沖縄は87・5%で、唯一80%台となり、全国最下位だった。耐震化されていない2228棟のうち、6強以上で倒壊する危険性が高い建物は397棟で、沖縄は23棟。文科省が目標としてきた3月末までの100%完了は達成できなかった。

 文科省によると、2228棟の半分程度は2017年度中に完了する見通し。文科省は「引き続き速やかな対応を求めていく」としている。

 県教育庁施設課によると、全国では比較的短期間で実施できる耐震補強を進めているのに対し「県内の施設は三十数年が経過し塩害もひどいため、ほとんどが改築に合わせて耐震化を図っている。そのため全国に比べ進展が鈍い」という。県教育庁は事業計画の前倒しなど耐震化に積極的に取り組むよう市町村に促す考えだ。

 県内の市町村別では、80%に達していないのは那覇市、国頭村、本部町、久米島町の4市町村で、うち那覇市は耐震化未実施の残棟数が67棟と全国で4番目に多かった。

 都道府県別の耐震化率は、福井と岐阜で100%に達した。震度6強以上で倒壊する危険性が高い建物が多いのは、福島55棟、北海道54棟、広島33棟、愛媛31棟、茨城23棟、石川・高知22棟などだった。

 調査は木造以外の校舎や体育館、寮が対象。東京電力福島第1原発事故の影響で調査が難しい福島の7町村は除いた。

 沖縄の公立幼稚園の耐震化率は84・9%、高校は97・5%、特別支援学校は100%。

 また公立小中学校の体育館や武道場、講堂などのうち、つり天井の落下防止策が取られていない建物は1654棟あり、東京117棟、千葉113棟、愛知100棟の順に多かった。沖縄は18棟だった。