米軍、基地境界引き直す 嘉手納第3ゲート・横断歩道


この記事を書いた人 新里 哲
(上)横断歩道を横切っていた「嘉手納基地境界線」=26日、沖縄市白川の米軍嘉手納基地第3ゲート前(下)横断歩道に平行になるよう引き直された「境界線」=27日

 【沖縄】米軍嘉手納基地は、5月に同基地第3ゲート(沖縄市白川)周辺の米軍施設と民間地の境界線を示すため横断歩道を斜めに分断するようにオレンジ色の境界線を引いていたが、26日に境界線を消し、新たに横断歩道と平行に引き直した。25日までは横断歩道を通ると「嘉手納基地境界線」と記された境界線の中に入らざるを得ず、同ゲート前で全基地撤去を訴える運動に参加していた市民らから「横断歩道上の歩行を規制することが許されるのか」などの批判が上がっていた。

 同基地は境界線について「5月16日から20日の間に引いた。基地内の地域社会の安全に役立つもので、歩行者には影響はない」とし、線の引き直しについては「歩行者がどこを歩いたらいいのかはっきりさせるため、横断歩道と平行に引くよう調整した」と説明した。

 市民らによると、基地撤去を求める運動の際、基地内にいた米兵が横断歩道上を歩く市民らを追い出すように現場にいた警察官に求めていたという。基地撤去を求める運動に参加していた西村茂樹さん(53)=宜野湾市=は「県民生活は自分たちと関係ないという意識で米軍は線を引いたのではないか。やることがいい加減だ」と話した。

 本紙は25、26の両日、米軍施設の境界などについて沖縄防衛局に質問しているが、28日午前0時現在、回答はない。