設備投資、半数超が意欲 県内企業、資金調達「内部」65%


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 海邦総研(那覇市、親川秀光社長)は27日、県内企業の設備投資計画に関する調査結果を発表した。2015年度に設備投資を実施した企業は59・5%で、16年度も55・5%が実施を予定していると回答。好調な観光業や堅調な土木建設業を中心とした景況感を背景に、設備投資は半数を超える高水準となった。海邦総研は「(景気の)拡大傾向に一服感もみられるが、積極的な設備投資の意向が持続している」と分析した。

 本年度の設備投資については「未定」と回答した企業も15・9%あり、最終的な実施企業は前年度並みとなるとみられる。「実施する予定はない」は25・7%だった。また、設備投資の予定企業に資金調達方法を複数回答で聞いたところ「内部資金」が65・1%、「金融機関からの借り入れ」が42・7%だった。

 調査は今年5月末から7月20日まで実施。従業員5人以上の1977事業所を対象に調査票を配布し、346社の回答(有効回答率17・5%)を得た。

 15年度に設備投資を実施した理由(複数回答)で最も多いのは「既存設備の更新、維持・補修」で68・4%。「増産・販売力増強」33・0%、「新製品の生産、新店舗の設置」16・0%が続いた。

 15年度に設備投資を実施した割合が最も高い業種は「医療・福祉」で70・8%だった。「その他サービス業」の67・6%、「情報通信業」の64・7%と続いた。資本金別では「1億円以上」企業は75・0%が設備投資を実施したのに対して、「1千万円未満」は52・6%にとどまった。

 従業員数別では「100人以上」企業が77・1%だった一方、「10人以上20人未満」は44・4%だった。一定規模の企業が積極的に設備投資を行う一方、小規模・零細企業には慎重姿勢がある。

 16年度に設備投資する割合が最も高い業種は「製造業」が77・8%で、「情報通信業」の70・6%、「飲食サービス業」の59・3%と続いた。