【糸満】糸満市の沖縄水産高校は21日、水産資源の回復などを目的に、同市の名城ビーチ沖でシラヒゲウニの成体約300匹を放流した。同校はシラヒゲウニの完全養殖を目指した取り組みを進めており、今回放流した個体は、生徒らが実習の一環として人工授精で養殖したもの。
今回放流した個体は、2014年に人工授精させて育成したシラヒゲウニを親とするウニ。2世代続けて人工授精による育成を成功させたことで、完全養殖化に向けたサイクルが確立された形となる。
シラヒゲウニは最盛期の1975年には漁獲量が2200トンあったが、2013年には約千分の1の2トンとなっており、極端な資源の減少が進んでいる。
沖縄水産の完全養殖化の取り組みが成功すれば、資源の回復に向けた大きな成果となる可能性がある。
沖水高総合学科海洋生物系列の生徒ら約20人が名城ビーチ沖の浅瀬に入り、シラヒゲウニの成体を一つ一つ海底に放した。
上原広海君(3年)は「自分たちで育てたので寂しさもあるが、元気に育ってほしい。この取り組みを後輩にも引き継ぎ、ウニの資源回復につなげられたらうれしい」と話した。