「石西礁湖」でサンゴ白化 宮古島周辺でも進行


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白化が進む石西礁湖のサンゴのミドリイシ群落=22日、竹富町黒島の北側沖(「海游」の吉田稔代表提供)

 石垣島と西表島の間に広がる日本最大のサンゴ礁「石西礁湖」や名蔵湾などで、サンゴの白化現象が進んでいる。宮古島地方の一部でも白化が始まっており、沖縄本島地方の一部では色が薄くなったサンゴが増えてきている。6月から海水温が高い状態が続いていることが原因とみられる。環境調査会社関係者によると、石西礁湖全域の約8割で白化し始めている可能性があり、専門家らは「このままなら致命的な状況になるかもしれない」と指摘。県内各地で大規模な白化現象が見られた1998年と同規模になる可能性もある。

 石垣市の環境調査会社「海游」が26日までに、石西礁湖約10地点でまとまった白化現象を確認。7月以降白化が広がり始めている。名蔵湾北側に広がる水深5メートル前後の浅瀬では海岸に沿って約4キロ、沖合約500メートルでサンゴの白化が進行。ほか2地点でも広範囲で白化し、深刻な状況という。

 沖縄気象台によると、八重山地方は6月16日の梅雨明けから太平洋高気圧に覆われ晴れの日が続き、海水温が上昇。7月初旬の台風1号接近で29度まで下がったが、通過後は30度を超える日が続いている。現在、台風の発生や接近の可能性は低く、海游の吉田稔代表は「全体の2割は白化の進行が深刻だ。今後1~2週間このままなら死滅してしまう」と述べた。