校歌探訪 与那国町立久部良小学校


この記事を書いた人 上原 康司

 海沿いの岸壁に波が打ち寄せ潮騒が響く。校舎からは日本最西端の岬「西崎(いりざき)」と大海が望む。与那国島の町立久部良小学校は日本の最も西から、未来を夢見る子どもたちを育て輩出してきた。
 1949年6月に制定された校歌は終戦後に与那国で文化活動にも励んだ石垣市出身の詩人、宮良政貴が作詞した。曲は八重山で数多くの校歌作曲に携わった宮良長包のまな弟子糸洲長良が手掛けた。
 学校を支えてきた久部良区は断崖の岬のほか、集落の北側には荒波打ち寄せる「クブラフルシ」という岩群の光景が広がる。冬は嵐のような強い北風が吹き付け、集落は潮の音に包まれる。
 歌詞1番は、この音を「島の和み」と表現し、2番では3月になると西崎などに咲き誇る白色のテッポウユリが冬の強風に耐えた様子を「自由の光みなぎりて」「香りも高き学びやに」などと描写する。