きょう初回弁論 違法確認訴訟 午後2時開廷 高裁那覇支部


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 翁長雄志知事による名護市辺野古の埋め立て承認取り消しに対し、国が起こした不作為の違法確認訴訟の第1回口頭弁論が5日午後2時、福岡高裁那覇支部で開かれる。辺野古埋め立て承認取り消しを巡っては国が先に起こした代執行訴訟で今年3月に双方が和解し、辺野古新基地建設工事を国が中断し、円満解決に向けた協議をし、法的な争いを仕切り直すことを確認していた。県は法廷闘争よりも協議を優先するよう国に求めていたが、国は法的な争いと協議は「両輪」だとして7月22日に県を相手に不作為の違法確認訴訟を提起した。県と政府は承認取り消しを受けた2度目の法廷闘争に入る。

 代執行訴訟の和解後、国は承認を取り消した県に是正指示を出した。県が国地方係争処理委員会に審理を申し出た結果、同委員会は6月、是正指示の適否は判断せず、双方に問題の根本的な解決を目指した真摯(しんし)な協議を求める決定をした。

 国は係争委が是正指示を「違法」と判断したわけではないとして、県が承認取り消しを撤回しないことや、係争委の決定を不服として提訴しないのは「不作為」に当たるとして違法確認訴訟を起こした。

 5日は翁長知事が出廷して意見陳述する。先に提出した陳述書で知事は「違法な国の関与により全てが国の意向で決められるようになれば地方自治は死に、日本の未来に拭いがたい遺恨を残す」と訴えている。

 国は仲井真弘多前知事による埋め立て承認に「裁量権の逸脱」はなく、取り消しは違法と主張。県は埋め立て承認手続きには法的な瑕疵(かし)があり、違法状態を解消するための取り消しは正当だと主張する。高裁判決にいずれかが上告した場合、確定判決は年末から年明けごろになるとみられる。