渡嘉敷の日常、映画に 猪狩監督が移住し取材、撮影


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
渡嘉敷区伝統行事「大綱引き」の綱づくりを撮影する猪狩監督=7月28日、渡嘉敷区内

 【渡嘉敷】映画監督の猪狩裕子さん(32)=東京出身=が4月から渡嘉敷村に移り住んで、同村を舞台にした新作の記録映画を製作している。来年1月には撮影を終える予定という。3月までは座間味島に住んで同村での映画撮影を終え、渡嘉敷村に渡った。

 猪狩監督は映画「きみの信じる神様なんて本当にいるの?」で、ぴあフィルムフェスティバル(PFF)2013で準グランプリに輝き、「嘘と汚れ」で同2015審査員特別賞を受賞している。

 監督は、慶良間諸島全域の自然、文化、歴史などや沖縄戦の戦争体験者からの聞き取り取材をしながら映画を製作中で、タイトルは決めていないという。

 現在、渡嘉敷村内の飲食店でアルバイトをしながら島の自然や各行事、おじー、おばーから戦時中の島の様子や戦争体験などの聞き取り、島民の日常の暮らしや島の自然などを撮影している。

 「島の自然や島民の優しさ、人情に魅了された」と常に笑顔を絶やさず“しまんちゅ(島人)”になりきり地域住民らと親しく付き合っている。今では島の子どもからお年寄りまで顔なじみ。島の人から「監督さん、監督さん」と親しまれている。

 松本好勝渡嘉敷村長は「国立公園の島を全国にアピールするいい機会。村も全面的に協力する。島の人々の生活がにじみでた作品として期待したい」とエールを送った。
(米田英明通信員)