集大成 面白い試合に 嘉手納、きょう前橋育英戦 夏の甲子園


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低めを意識してブルペンで投げ込む嘉手納のエース仲地玖礼=10日、兵庫県西宮市の鳴尾浜臨海公園野球場(諸見里真利撮影)

 【甲子園取材班】第98回全国高校野球選手権大会第5日の11日、第3試合(午後2時半開始予定)で群馬代表の前橋育英と初戦を戦う嘉手納は10日、兵庫県西宮市の鳴尾浜臨海公園野球場で練習を行った。

 現地入りしてから10日目。この日は午後1時から約2時間、シートノックやシートバッティング、フリーバッティングをし、サインの確認や速球、変化球対策でマシンを使うなど、実戦を想定した練習を行った。練習最終日となり、攻守の練習時間の比率が同じだった前日から、疲れを残さないよう打撃中心の練習で最後の調整をした。

 沖縄大会で1番打者を務め、この10日間で上り調子の幸地諒承は「最初の打席は緊張すると思うが気持ちを抑えてピッチャーに集中する。どんなピッチャーでも自分のスイングができるかが鍵だ」と気を引き締めた。

 気温35度の猛暑の中、選手たちは現地入り後から使用している新しい練習着に身を包み、汗を流した。練習後にはヨガで体をほぐし、呼吸を意識して瞑想(めいそう)し、感情を整えた。大蔵宗元監督は「これまでの集大成だ。嘉手納の持っているポテンシャルを出し切れれば面白い試合になる」と力強く初戦に挑む。

<両校監督一問一答>

先制し主導権を 嘉手納・大蔵監督
 ―1日に現地入りしてからのチーム状態は。
 「しっかり食事も取り、状態は悪くない。ここの生活にも慣れてきている。田舎の家通いで、都会の人目にさらされる生活は最初はきつかったが慣れてきた。こういう生活を楽しめるかどうかだ」
 ―前橋育英の印象は。
 「守りがしっかりしている印象だ。堅い守りをこじ開けたい」
 ―相手チームの対策は。
 「ボールを見極め、相手の攻撃を頭に入れてやる」
 ―理想の試合展開は。
 「先取点を取って主導権を握りたい」
 ―チームのキーマンは。
 「守備ではピッチャーの仲地玖礼だ。攻撃では1、2番が出塁したら大きい」
 ―相手校の注目選手は。
 「まずはピッチャーの佐藤優人だ。吉沢悠も早いボールを投げている。練習で速いボールに慣れながらやっている。バッターでは4番の小川龍成だ」
 ―初戦へ向けて。
 「初戦なので楽しみだ。早くやりたい」

守って後半勝負 前橋育英・荒井監督
 ―嘉手納の印象は。
 「ピッチャーの仲地玖礼はコントロールの精度が高く打ちづらい印象がある。仲地の攻略がポイントだ」
 ―自チームはどんなチームか。
 「守りを大事にしている。進塁されても失点を防ぎ我慢して攻撃につなげたい」
 ―理想の試合展開は。
 「嘉手納の強力打線に火を付けないようにしたい。ピッチャーを中心に守って、粘り強く後半勝負でいければいい」
 ―3年前の初出場初優勝以来の甲子園。
 「長かった。選手が替わり、新たな前橋育英を見せていきたい」
 ―相手校の注目選手は。
 「ピッチャーの仲地とクリーンアップの2、3、4番と8番だ。火を付けないようにしたい」
 ―チームのキーマンは。
 「ピッチャーの佐藤優人とキャプテンの小川龍成だ。佐藤はコントロールがいい方。4番の小川はチャンスでどれだけ打てるかに期待したい」