FC琉球、V5で代表 海銀を8―0で下す 天皇杯サッカー県予選


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前半20分、3点目のシュートを決めるMF富所悠=14日、南風原町の黄金森公園陸上競技場

 サッカーの第96回天皇杯全日本選手権県予選決勝が14日、南風原町の黄金森公園陸上競技場で行われ、FC琉球が8―0で海邦銀行を制した。5年連続9度目の頂点に立ち、全国選手権出場の切符をつかみ取った。本戦1回戦は27日午後7時半、県総合運動公園で宮崎県代表と争う。

 決勝戦の琉球は、持ち味の攻撃的サッカーを遺憾なく発揮し、状況に合わせた展開力を発揮した。前半9分、左サイドに駆け上がったMF平田拳一朗のセンタリングにFWレオナルドが合わせて先制点を奪うと、同16分にFWパブロ、同20分にはMF富所と立て続けにネットを揺らした。主導権を握った琉球は後半も4点を奪い、山川デション諒は公式戦初得点と合わせて計2点を決めた。

▽決勝
FC琉球
8―0(4―0,4―0)
海邦銀行ク
▽得点者 【琉】レオナルド、パブロ2、富所、田中2、山川2

◆最後まで集中
 金鍾成(FC琉球)監督の話 カテゴリーの違いもあるが最後までゲームに集中しており、楽しい試合をお見せできたと思う。点差が開いて余裕ができたことで、いろんな攻撃の形ができた。失点ゼロだが、やられてもおかしくない場面もあった。

◆上には上がいる
 仲間幹(海邦銀行SC)監督の話 琉球の重圧が強くてDFラインを上げて畳み掛けられず、FWが孤立していた。ふがいない試合だが、まだ上には上がいることを知る良い薬になった。

◆臨機応変 多彩攻撃で圧倒

 J3のFC琉球は、九州リーグの海邦銀行サッカークラブ(海銀SC)を相手に8―0で圧勝した。違うカテゴリーであり、琉球が格上という前提で臨んだ決勝戦。選手らは集中力を切らすことなく、臨機応変な攻撃で海銀SCを圧倒した。

 試合開始から左右に幅広く展開する攻撃で前半9分、MF平田拳一朗のセンタリングにFWレオナルドがヘディングで先制。余裕のできた琉球はさらに運動量が増し、素早いプレッシャーと先を読むパスカットで海銀FWに仕事をさせず、主導権を握った。

 攻撃も細かいパス回しによる中央突破だけでなく、相手DFを膨らますためにいったん引き、直後に空きスペースを狙うなど、個々の選手が広い視野で攻め立てた。入団半年の山川デション諒も、絶妙なポジション取りで入団初得点を決め「やっと得点できた。天皇杯本戦に出られるならしっかりゴールを決めたい」と目を輝かせた。

 状況に合わせた連係から繰り出される多彩な攻撃は、J3の試合で時にもろさを見せた、攻撃的サッカーの切れ味の良さを改めて証明した。天皇杯本戦では勝ち上がればJ1やJ2のチームとも戦うことになる。主将の田中恵太は「勝たないと評価されない。上のカテゴリーをターゲットに一戦一戦勝っていく」と力を込めた。
(嘉陽拓也)