千代田配備「絶対に駄目」 宮古島陸自計画 市議と意見交換


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 【宮古島】宮古島市への陸上自衛隊配備計画で、市議会総務財政委員会(嵩原弘委員長)が18日、配備候補地の一つ「千代田カントリークラブ」(市上野野原在)に隣接する野原部落会の住民と野原公民館で意見交換した。住民は「千代田―」への基地建設に伴い、ヘリポートや射撃場が建設され、騒音が増すとして反対している。賛成派の委員は「仮に隊舎だけ造るのならば賛成するのか。条件次第で歩み寄る余地はあるのか」と質問。住民は防衛省に計画の概要を質問したが、情報は全く開示されなかったとして「今となっては絶対に駄目だ」と不信感をあらわにした。

 住民は隣接する航空自衛隊基地から離着陸する大型輸送ヘリの騒音に長年悩まされている。部落会は市内への陸自配備計画自体には反対していないが、空自から直線距離約1キロの位置にある千代田に基地ができると、生活がさらに脅かされるとして反対している。

 部落会の仲里成繁(せいはん)さん(62)は「国防の必要性は分かるが、地元に対して何の説明もないままでいいのか。基地は未来永劫(えいごう)あり続ける。子々孫々まで被害を気にして生活しなくてはならないのか」と訴えた。

 一方、委員からも「われわれにも情報は伝わっていない」などと声が上がった。

 部落会は4月に下地敏彦市長と市議会に千代田への陸自配備の撤回を求めた。市議会6月定例会にも陳情書を提出し、委員会は継続審議としている。意見交換会は住民の求めにより開かれ、委員らはこれを参考に、8月19日も同議案を審議する予定。会合後、嵩原委員長は「説明がなされていないことに対する感情的なものが先走ってきている。理解できかねる点もある。委員間で話し合いたい」と話した。