モンスーン渦が台風進路に影響 例年より東側に


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 ことしの台風は例年よりも東側のコースを取ることが多い。琉球大理学部の山田広幸准教授(気象学)によると、8月5日ごろから日本列島の南側に発生している「モンスーン渦」と呼ばれる大気の渦が、台風の発生場所と進路に影響を及ぼしているという。

 例年は日本列島の東海岸付近に張り出す高気圧が、今年はモンスーン渦の発生で北海道の北まで押し上げられ、モンスーン渦の反時計回りの大気の動きが起きている。

 山田准教授によると、「モンスーン渦」が発生すると小さな台風が渦の外側で複数発生し、渦のへりに沿うように進路を取る傾向がある。季節風に逆らうような進路を取っている台風10号もこの影響を受け、渦の北側のへりに沿って移動。沖縄本島地方向けの進路を取っているとみられる。今年は5、6、7号がこの渦に影響を受けた典型。11号も同様だが、これは列島東海岸をなめて北上する見通し。