試験問題が市販本と酷似 沖縄県教員選考の英語リスニング


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 沖縄県教育委員会が行う県公立学校教員候補者選考試験で、少なくとも2年にわたり、市販されている1冊の問題集と酷似した問題が多数出題されていたことが分かった。中・高校の1次試験にある英語のリスニング試験で、少なくとも2015年度は18問中13問、16年度は18問中8問が、設問の基になる文章や設問が問題集とまったく同じか、固有名詞など一部だけが異なる内容だった。

 特定の書籍に集中させることで受験生への公平性を欠くと批判が出ている。問題集は、旺文社の「英検1級リスニング問題150」。県教委は「事実関係を確認中」としている。

 県教委によると、試験問題は県教育庁内で作成する。作問について具体的な内容は「公表できない」としているが、担当者は「全ての問題を独自で作成するのは難しいため、既存の試験問題を参考にする」と話し、問題作成後には既存のものとの重複を確認する過程があるという。

 この1次試験には今年、中学校は223人、高校は121人が受験し、それぞれ22人、8人が合格して2次試験を受けた。

 県教委は10月31日に発表予定の合否への影響についても今後検討するとしている。

 県の教員選考試験では今年、中学理科の1次試験で問題の配布ミスがあり、全員を合格としたばかりだった。