陸自配備中止の請願提出 石垣島候補地の住民ら「環境悪化の恐れ」


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自衛隊配備計画の中止を求める請願を提出する砂川英秀館長(右から2人目)ら=29日、石垣市議会

 【石垣】沖縄県石垣市への陸上自衛隊配備問題で、防衛省が選定した市平得大俣の候補地に最も近い開南区と川原区の一部の住民でつくる有志の会が29日、共同で市議会に自衛隊配備計画の中止を求める請願を提出した。開南区の南東に位置する川原区から有志の会として反対を示すのは初めて。関係者によると、川原区でも反対意見は多く候補地周辺で反対の動きが広がっている。

 開南公民館の砂川英秀館長は「自衛隊車両の往来やヘリコプター、オスプレイの発着など10~20年後に環境がひどくなる恐れは十分にある。この変化は候補地周辺だけの話ではない。市全体で考えることだ。市議会はしっかりと議論してほしい」と訴えた。

 開南区は3月に候補地に近接する於茂登区、嵩田区と一緒に陳情を提出したが、協議した市議会総務財政委員会は多数の与党が継続審議に反対し、不採択とした。その後、嵩田区が隣の名蔵区有志の会と共同で新たに請願を提出したが、同様に不採択となった。

 開南区などが今回提出した請願では「起伏に富んだ自然豊かな地形を生かし、長年の努力で現在の地区を築いてきた。自衛隊施設の設置は大規模な自然破壊となる」と指摘している。

 請願は30日に開会する市議会9月定例会の最終日9月16日に総務財政委に付託され継続審議扱いとなる見通し。