ハンセン一部、名護市に きょう引き渡し 不発弾、国が処理


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 【名護】米軍キャンプ・ハンセン内で返還が決まっている名護市の一部土地約162ヘクタール(幸喜、許田、喜瀬区)のうち、2014年6月末に返還された幸喜区内の市有地(約55ヘクタール)が8月31日に沖縄防衛局から市へ引き渡される。市と防衛局が同日に交わす「返還財産引渡調書」で、引き渡し後に不発弾などが発見された場合は国の責任で処理すると明記することに30日、双方が合意した。稲嶺進名護市長は市議会定例会後の9月下旬にも現地踏査し、状況を確認する。

 返還財産引渡調書では「今後、当該地区から不発弾等が発見された場合には国において対応する」と盛り込む。その上で「ただし、当該不発弾等が引き渡し以前から存在したものに限る」と添える。

 市が引き渡し後に危険物が発見された場合の国の責任を明確化するよう求めたのに対し防衛局は当初、「(引き渡し以前から存在したことを)国が認めるもの」と国が判断する趣旨を盛り込む文案を提示した。これに対し市は「国が認めるもの」との文言を外すよう求め、防衛局は30日、削除に応じた。市は選択肢として検討していた引き渡し日の延期申請をせずに31日の引き渡しを受け入れる。

 許田区と喜瀬区の土地は17年6月末に返還される予定。幸喜、許田、喜瀬の3区は、返還箇所が傾斜地で跡地利用が難しいことから返還延期を求めてきた。幸喜区は同区の土地のみが返還されることに関し、米軍普天間飛行場の辺野古移設を容認しないことへの「見せしめ」と指摘している。