「N1裏」に希少チョウ ウラナミジャノメ


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県の固有種で準絶滅危惧種リュウキュウウラナミジャノメ=31日、東村と国頭村の境の通称N1裏(屋嘉部長将撮影)

 【ヘリパッド取材班】沖縄県の固有種で準絶滅危惧種のリュウキュウウラナミジャノメが31日、ヘリパッド関連の工事が進む通称「N1裏」ゲート内のあぜ道で生息しているのが確認された。本紙写真部記者が撮影した。チョウ類研究者の宮城秋乃さんによると、ふ化後、数日以内の個体とみられる。宮城さんは「周辺にさなぎもいる可能性がある。さなぎは自身で移動できないので植物と共に刈り取られる恐れがある」とし、個体数減少に危機感を示した。

 また、宮城さんはヘリパッド関連工事で、ウラナミジャノメや本島固有種で県の天然記念物にも指定されている絶滅危惧種、ホルストガエルの生息地破壊の恐れについて環境省や沖縄森林管理署に質問し、31日までに回答を得た。宮城さんによると、ウラナミジャノメの生息地破壊への対応について、環境省は「(絶滅危惧種や準絶滅危惧種の指定で)保護しなければいけない強制力はない」とした。ホルストガエルの生息地破壊への対応には「生息地の破壊だけでは(注意が)できない」としたという。