基地問題無視できない 劇団チョコ泥棒、「政治」に初挑戦


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二
人形(中央)に、男性の好みのファッションを押し付けることについて対立する場面を演じる「チョコ泥棒」=4日、沖縄市のパライソ

 【沖縄】沖縄市を中心に活動している劇団「チョコ泥棒」(兼島拓也主宰)は4日、沖縄市のバー「パライソ」で演劇「君は新生活」を公演した。コメディー劇を中心に演じてきたチョコ泥棒だが、安全保障関連法や辺野古・高江の問題に対して「知らないふりはできない」(兼島さん)と、初めて「政治」をテーマに盛り込んだ。ショート劇など全6作品を披露し、政治風刺を背景に織り込んだ劇で会場を笑いで包んだ。

 脚本を担当する兼島さん(27)は投票に行かないこともあった。政治を劇に盛り込むきっかけとなったのが、安保法に反対して国会前などで活動した若者グループ「SEALDs(シールズ)」の存在だった。

 これまで「趣味」としてやってきたコメディー劇に「ただ楽しい、面白いだけという無力さがあった」と兼島さんは語る。「これまでの客は離れるかもしれないが、政治について表現するべきだ」と感じた。

 演劇「君はオーガニック」では、有機食品を好む男性とジャンクフードを愛好する女性が対立。それぞれが意見を押し付け合うが、どちらが正しいかは示されずに幕は閉じる。

 兼島さんは「コメディーなので観客には楽しんでほしいが、もやもやもしてほしい」と述べ、生活にあふれる正解のない“対立”が政治にもつながっていることを示唆した。

 11日にもパライソで同内容で公演する。当日券販売のみで1500円。

 問い合わせはメールアドレスchocodorobo@gmail.com