名護市長「辺野古阻止へ支援訴え」 IUCN世界会議で環境問題提起


この記事を書いた人 志良堂 仁
国際自然保護連合(IUCN)の第6回世界自然保護会議のワークショップで、支援を求める稲嶺進名護市長=4日、米ハワイ州ホノルル市のハワイコンベンションセンター

 【ホノルル=問山栄恵ワシントン特派員】稲嶺進名護市長は4日、ハワイ州ホノルル市で開催中の国際自然保護連合(IUCN)の第6回世界自然保護会議のワークショップで、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設問題について報告し、「一日も早い県民の安全と安心と心の安寧を取り戻したい。パートナーとなって、支援をお願いしたい」と述べ、国際社会に新基地建設阻止に向けた支援を訴えた。新基地に関する4度にわたる勧告案採択をしてきたIUCNに対しては「勧告が生かされているのかチェックしてほしい」と強調した。

 稲嶺市長は新基地建設に関する環境影響評価(アセスメント)について「100ヘクタール以上を埋め立てるが、環境に影響は少ないと政府は言っている。(建設が)計画されている大浦湾は豊かな自然が残っている。環境アセスの内容は科学的だと言えないものばかりだ」と環境アセスの不備を指摘した。

 さらに環境アセスに対し、自然環境保全、ジュゴンの生息問題、埋め立て土砂の問題点などに関する市長意見を提出したが、日本政府が参考にすることはなかったと説明した。

 またIUCNの勧告については「日本はまったく振り向こうとしない。日本政府は真摯(しんし)に向き合うべきだ」と強調した。

 新基地建設を強行する日米両政府に対しては「人権、民主主義を踏みにじり、地方自治を否定していると言わざるを得ない」と批判した。

 ワークショップの参加者からは「専門家にアプローチをしているのか」「IUCNの代表と話し合いをしてはどうか」「(市が)専門家を連れてきて、きちんと環境問題を指摘する必要があるのではないか」などの意見や提案が上がった。

 ワークショップに先立ち開かれた記者会見で稲嶺市長は新基地建設を巡る沖縄の現状を報告した上で「私たちの声を聞いてほしい。専門家の知見、協力に期待している。力を貸してほしい」と述べた。

英文へ→At IUCN workshop, Nago mayor calls for support to stop new US base construction in Henoko