ヘリパッド建設 攻防激化 住民に影響 学校講師、渋滞で遅刻


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 【国頭】東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場への新たなヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設を巡り、工事に反対する人たちと機動隊との攻防が続く中で、地元住民の生活に支障を来たしている。ヘリパッド建設予定地の国頭村安波では5日、静かな集落に機動隊が徐行運転をやめるよう呼び掛ける拡声器の声が響いた。安波小学校で勤務する非常勤講師の男性は渋滞に巻き込まれ、学校側は急きょ時間割を変更するなど対応を迫られた。安波小学校の宮城尚志校長は「警察と反対する人両方に言いたい。一般の人を巻き込んで悪い影響を出すことはやめてほしい」と改善を求めている。

 5日午前10時半すぎ、安波小学校の前の県道70号で、機動隊車両が「一般車両に迷惑を掛けている。直ちにスピードを上げなさい」と拡声器で呼び掛けた。機動隊車両の前にはヘリパッド建設に反対する人が車を徐行運転させていた。

 宮城校長は「授業中にこんなのどかな場所で音が響くわけですよ。子どもたちも何かなと思ってびっくりして授業が中断する。こういうことが毎日起こらないでほしいし、子どもにも見せたくない」と話す。

 この日は、国道58号から安波へ向かう県道2号沿いで約50台が連なり渋滞が発生した。安波小学校の非常勤講師の男性は渋滞に巻き込まれて約1時間遅れで学校に到着し、2校時の授業に間に合わなかった。宮城校長は「授業にも影響を及ぼすのは大変なことだ。抗議行動も警察も、もう少し他のやり方があるのではないか」と強調した。

 東村高江区でも、住民生活に支障を来しているとして、伊集盛久村長と高江区の仲嶺久美子区長は県警に対し改善を求めていた。村と区の申し入れ後、県警は沖縄防衛局に対して通勤時間帯の工事車両の搬入を避けることを求め、工事車両の搬入時間は変更された。