子の医療費貸付制度 9市町来月から導入


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 困窮世帯を対象に子どもの医療費の窓口負担をなくす「子ども医療費助成事業の貸付制度」について、那覇市、浦添市、豊見城市など9市町が10月からの導入に向け準備していることが分かった。琉球新報が9日までに、全市町村を対象に導入の有無を尋ねた。県による新しい制度で、年度内の導入を目指す自治体も6市町村あった。

 一方、導入しない理由として「近隣に利用できる医療機関がない」と話す市町村もあった。県健康長寿課によると、10月からの制度適用を決めている医療機関は9日現在で、那覇市立病院、久米島病院、大浜第一病院、沖縄病院など6施設のみ。同課は今後、市町村と医療機関の、双方に導入を呼び掛けていく。担当者は「新しい制度のため、これから順次、拡大していきたい」と話す。

 新制度では、困窮世帯は市町村から認定書を受け取る。診察の際に病院窓口で認定書を見せると、その場での支払いは免除される。その後、診察料はまとめて、市町村から現金を渡され、それを医療機関に支払う。

 時期は未定だが導入を検討している沖縄市は10月から、助成制度の対象を現在の未就学児から小学3年生にする予定。対象年齢の引き上げを優先する考えだ。

 貸付制度の対象となる子どもの年齢は、子ども医療費助成事業の対象範囲で、市町村によって異なる。現行の制度では、対象年齢の子の医療費は償還されるが、診察時に保護者がいったん立て替え払いしなければならない。立て替えが困難な保護者による子の受診控えが課題となっていた。