「やんばる国立公園」誕生 国頭、東、大宜味3村、環境保全に決意


この記事を書いた人 志良堂 仁
「やんばる国立公園」として国立公園に指定され、会見を開いた(右から)宮城久和国頭村長、宮城功光大宜味村長、伊集盛久東村長ら=15日午前、国頭村比地の環境省やんばる野生生物保護センター

 【東京】本島北部の国頭、東、大宜味3村にまたがる陸域1万3622ヘクタール、海域3670ヘクタールが15日、「やんばる国立公園」として官報に告示され、正式に国立公園に指定された。完全な新規での国立公園指定は2014年の慶良間諸島以来で、33カ所目となる。北部3村は15日、国立公園化を記念する旗をそれぞれの役場に掲げ、指定を喜んだ。

 翁長雄志知事は同日、県庁での定例会見でやんばる国立公園指定について「環境保全と地域振興の面から有益で大変喜ばしい。世界自然遺産登録に向け一歩前進だ」と歓迎。一方、米軍北部訓練場の部分返還に伴うヘリパッド建設が進められていることや、米海兵隊の輸送機MV22オスプレイが運用されることについては「この地域は希少な動植物がある。世界自然遺産を目指す意味からすると、この影響は極力少ない方がいい」と述べた。

 国頭、東、大宜味の3村長も同日、国頭村のやんばる野生生物保護センターで会見を開き「子どもたちにとってもしっかりと自然を勉強できる機会が広がる」(宮城功光大宜味村長)などと歓迎。北部訓練場と隣接していることについては「好ましいことではない。基地の整理縮小を考えていくべきだ」(宮城久和国頭村長)との声も上がった。