新基地阻止諦めない 県敗訴も抗議継続 シュワブ前


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二
工事再開を警戒し、キャンプ・シュワブゲート前で座り込む市民ら=17日午前10時半ごろ、名護市辺野古

 【辺野古問題取材班】翁長雄志知事による名護市辺野古の埋め立て承認取り消しを巡る不作為の違法確認訴訟で県が敗訴して一夜明けた17日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前では市民ら約30人が座り込み、工事再開を警戒した。市民らは「判決の結果は予想できていた」「今後も抗議を続けていく」などと声を上げ、新基地建設反対の意思を新たにした。

 炎天下、日傘を差しながら座り込む市民らの表情には県の敗訴に落胆した様子はなく、以前にも増して新基地建設反対を訴える人で目立った。キャンプ・シュワブゲートへの資材搬入などは確認されなかった。

 県統一連の瀬長和男事務局長は「昨日の判決で沖縄に基地を押し付ける政府の姿勢が明らかになった。県が敗訴したからといって、ひるんではいない。私たちは選挙や抗議活動を通して基地反対の意思表示をしていく」と強調。「県敗訴」の判決を出した多見谷寿郎裁判官について「これまで政府に寄り添った判決をしてきた経歴がある。県が上告すれば最高裁にステージが移る。日本の司法が本当に独立していることを信じて、翁長知事を今後も支えていきたい」と語気を強めた。

 ゲート前を訪れた稲嶺進名護市長は「判決文を読んだが、国の言い分をコピーしたような内容だった」とあきれた表情を浮かべた。ゲート前で座り込む市民らに関して「どんな状況でも座り込んでくれる皆さんがいる。私も一緒に新基地建設反対に向かって頑張っていく」と意欲を示した。