FC琉球、快勝 盛岡に4―2 サッカーJ3第22節


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FC琉球ーグルージャ盛岡 前半、アディショナルタイムにキーパーをかわし、2点目のゴールを決める藤澤典隆=19日、県総合運動公園陸上競技場

 サッカー明治安田J3第22節のFC琉球は19日、県総合運動公園陸上競技場で12位のグルージャ盛岡と対戦し、4―2で勝利をつかんだ。琉球は8勝5分け9敗。勝ち点29で、順位は変わらず10位。

 琉球は前半16分、盛岡に先制を許すが、同23分、MF田中恵太がPKを決めて同点に追い付いた。前半終了間際にMF藤澤典隆のゴールで逆転した。後半24分にFWパブロ、同39分にMF朴利基が追加点を決めて勢いに乗り、終了間際に失点したものの逃げ切った。次節は25日午後1時から、7位のSC相模原と神奈川県の相模原ギオンスタジアムで対戦する。

(2)沖縄県(琉球2勝)
琉球 8勝5分け9敗(29)
4―2(2―1,2―1)
盛岡 4勝9分け9敗(21)
▽得点者【琉】田中(PK)(10)藤澤(2)パブロ(6)朴利基(2)
    【盛】牛之浜(8)安楽(1)
▽観衆 1150人

 【評】序盤から互いにペースをつかもうとする攻防の中、相手の退場で数的優位に立った琉球が、終始ボールを保持し逃げ切った。

 琉球は1点を追う前半23分、MF田中がPKを決め、さらに前半終了間際にMF藤澤がループシュートを決めた。後半は盛岡がしかける場面もあったが、琉球がボールを回し、24分にFWパブロ、39分にMF朴が加点。後半終了間際には盛岡がコーナーキックから一矢報いる2点目を決めた。(嘉陽拓也)

◆勝てたことは大事
 金鍾成監督(FC琉球)の話 (ホームで)勝てていない重圧の中で、失点しても選手らは落ち込まなかった。攻撃の中でどう裏をとるかが今までのゲームより表現できた。選手に伝え、チームでやってきたことが出てきた。結果として勝てたことはすごく大事で、良かった。

◆攻撃力に屈する
 神川明彦(グルージャ盛岡)監督の話 (選手の退場で)いい試練を与えられた。後半ツートップで攻撃的に攻めたが、3点、4点と取られ、琉球の持ち前の攻撃力に屈する形になった。

◆万全の準備で逆転/ホーム4試合ぶりに勝利

 今季後半戦に調子を上げていたグルージャ盛岡。「一番難しくなる試合」(金鍾成監督)として、万全の準備をしてきたことがホーム戦勝利に結びついた。琉球同様に攻撃の切り返しの早い盛岡。前半16分に先制されてもMF田中恵太は「意識していたのでその後、しっかり対応できた」と応戦した。

 ファウルで得たPKを田中がしっかり決めると、前半34分、盛岡DFの退場で試合は、琉球の数的有利を生かした展開に変わる。その後は、細かいパス回しでボール占有率を高め、前半ロスタイムで逆転した。

 後半、積極的には仕掛けてこない盛岡に対し、琉球は相手ディフェンスの裏をつく攻撃でFWパブロが3点目を決め、喜びのカチャーシーを踊った。同39分にはMF富所悠―パブロ―FW上門知樹の鮮やかなパスワークからノーマークのMF朴利基がネットを揺らし、会場を沸かせた。

 ホーム戦3連敗から久しぶりの勝利を手にした琉球。重圧から解放された金鍾成監督は「勝ちにこだわると萎縮するが、何試合も勝てないと(負けても)『やっぱり』となるのは怖い。勝てて良かった」とし、サポーターの笑顔で次戦への活力を得た様子だった。(嘉陽拓也)