基地強行の日本政府に「表現の自由尊重を」 国連人権理事会でNGOが声明


この記事を書いた人 志良堂 仁

 非政府組織(NGO)の「反差別国際運動(IMADR)」は、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で19日に開かれた国連人権理事会で声明を発表した。名護市辺野古や東村高江などの米軍基地施設建設工事や、抗議市民らに対する日本政府の対応について、「表現の自由を十分に尊重するよう訴える」声明を発表した。

 日本政府は答弁権を行使し、「沖縄での建設作業は地方自治体の同意下で政府の認可を得ており、法手続きにのっとり行われている」などと反論した。抗議市民らへの対応については今後も、「法と規則にのっとって適切な対応をしていく」とした。

 声明は国際人権NGOの「ヒューマンライツ・ナウ」や「フランシスカン・インターナショナル」との共同。「米軍の存在が数十年にわたって女性への性暴力など無数の人権侵害を引き起こしている」と指摘し、日本政府は沖縄の反対にもかかわらず米軍基地の建設を進めていることを批判した。

 辺野古の海上警備会社が抗議市民らのリストを作成していたことに対して日本政府が関与を否定し、調査を行わないと公表したことに懸念も示した。また高江で取材をしていた新聞記者が機動隊に強制排除されたことに対して、報道の自由が脅かされていると懸念を示した。

 会場で声明を発表した反差別国際運動の小松泰介氏は本紙の取材に対し、「声明で辺野古の監視リストや沖縄のメディアに対する抑圧について具体的に指摘しているのに、日本政府は指摘に対して全く正面から反論していない」と批判した。

英文へ→NGOs call for Japan to respect Okinawans’ freedom of expression at UN Human Rights Council