先祖の足跡ハワイで発見 県系人が尽力、墓参りへ


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手掛かりの写真を手にする(前列左から)東江末美さん、高江洲福枝さん、沖縄ハワイ協会の高山朝光会長、(後列左から)瀬分コリン善久さん、同協会の松田昌次事務局次長=22日、浦添市

 浦添市の高江洲福枝さん(68)が、ハワイの親類が現地に建てた墓や親戚を訪ねて23日、ハワイに出発する。墓の写真は手元にあったものの、現地の場所が長年特定できていなかった。ハワイ出身の日系3世瀬分(せわけ)コリン善久(よしひさ)さん(44)=読谷村=を通し、ウチナーンチュのネットワークを駆使し情報を募ったところ、このほど場所が判明した。世界のウチナーンチュ大会を前に、ハワイと沖縄の強いつながりが、途絶えていた親戚との再会を実現させる。

 見つかった墓と親戚は、2年前に他界した夫・清仁(せいじん)さんからのつながりで、10年以上前から福枝さんは「ハワイの親戚に会いたい」と思いを募らせていた。

 高江洲家のハワイとのつながりは、1910年代に清仁さんの祖父・賛良(さんだー)さんの弟である仁王(におう)さんと嘉真(かしん)さんが、移民としてハワイに渡ったことが始まり。73年、嘉真さんは沖縄に戻り、仁王さんは帰らなかった。

 嘉真さんのアルバムにはハワイ島ヒロ市にある仁王さんの墓や、家族と見られる子どもたちの写真があった。ハワイとの連絡は途切れていたが、福枝さんは「仁王さんや嘉真さんの家族がいる可能性がある」と考えていた。

 福枝さんの思いを知った妹・東江末美さん(54)が沖縄ハワイ協会(高山朝光会長)に連絡。協会から連絡を受けた瀬分さんが17日、手掛かり写真などをメールでハワイの県系人らに送信すると、多くの連絡が来た。

 ヒロ市の高江洲姓の住民の情報なども含まれていた。ウチナー婿の瀬分さんは「ハワイと沖縄をつなげるレインボーブリッジ(懸け橋)になりたい」と目を輝かせる。福枝さんと東江さんは、大阪府に住む妹と3人で24日(現地時間)、ヒロ市を訪ねる。(半嶺わかな)