事故への謝罪の言葉なく 防衛相と面談の在日米軍副司令官


この記事を書いた人 松永 勝利
稲田朋美防衛相(右端)に頭を下げるシュローティ在日米軍副司令官(右から2人目)ら=24日午後、名護市内のホテル

 【名護】AV8Bハリアー本島東沖墜落事故を受け、在日米軍副司令官のチャールズ・G・シュローティ少将が24日午後、名護市内のホテルで稲田朋美防衛相と面談し「今後このような事故を起こさないために再発防止を図りたい」と述べた。シュローティ副司令官は最初に稲田防衛相に頭を下げたが、報道陣に公開された冒頭10分の間、事故に対する謝罪の言葉はなかった。さらに県民に不安を与えたことなどに対する言及もなく、操縦士が救助されたことについて「日米の協力で重大なことを防ぐことができた」と述べ、日米同盟による協力関係の強固さを強調した。
 稲田防衛相はシュローティ副司令官との面談で「あらためて遺憾の意、きちっとした原因究明と情報開示、再発防止をお願いしたい」と求めた。稲田防衛相は米軍が23日に全てのハリアーの運用の一時停止を発表したことに触れ「安全が確認されるまで飛行を停止することは私は当然なことだと思う」と述べた。さらに墜落したハリアーの操縦士に対する調査内容や新たな情報についての説明を求めた。
 これに対し、シュローティ副司令官は「日本側の求めに関しては、よく理解しているし、私もなるべく日本政府から示された疑問に対して早急に答えを出せればと思っている」と答えた。ハリアーの運用を一時停止する理由については「エキスパート(専門家)による事故の究明を行うため」と説明した。
 さらにシュローティ副司令官は「パイロットの捜索救助では日本政府の多大なる協力をもらい感謝したい」とした上で「この日米協力で重大なことにつながることを防ぐこともできたし、これによって日米同盟が協力的なことを示すことができた」と強調した。
 また「飛行運用に当たっては安全問題を優先しており、こちらは乗員のみならず、地元の住民の方々の安全にも考慮しながら飛行機に乗っている」としたが、事故によって県民に不安を与えたことなどについての言及はなかった。
 稲田防衛相とシュローティ副司令官の面談は事故を受け、急きょ設定された。【琉球新報電子版】