32軍壕説明板削除再検証を 元検討委員らが県に要望書提出


この記事を書いた人 金城 美智子
県子ども生活福祉部平和援護・男女参画課の玉城律子課長(右)に要望書を手渡す元第32軍司令部壕説明板設置検討委員の村上有慶さん=26日、県庁

 2012年3月に県が首里城公園内に設置した日本軍第32軍司令部壕の説明板の文言に、識者らでつくる説明板設置検討委員会の提出した最終案から「慰安婦」と「住民虐殺」の記述が削除された問題を受け、元検討委員の村上有慶さんら3人が26日、県子ども生活福祉部平和援護・男女参画課の玉城律子課長に削除字句復活を求める要望書を提出した。一カ月以内の回答を求めた。

 要望書を提出したのは村上さんの他に、元検討委員会委員長の池田榮史琉球大学教授と沖縄大学の新城俊昭客員教授。村上さんらは「(今の説明板には)県民の戦争体験がきちんと書き込まれていない。もう一度、検証してほしい」と訴えた。

 提出後の記者会見で池田教授は「ジャーナリストの原義和さんによって得られた正子・ロビンズ・サマーズさんの新証言で、司令部壕にいた慰安婦のことが書かれている」と話し、説明板設置以降の新たな証言などが、要望書提出のきっかけになったことを明らかにした。

 新城客員教授は「きちんと議論するために、新たに委員会をつくるなど、説明板の文言を再検討する機会が必要だ」と話した。
【琉球新報電子版】