3校の連合チーム 気持ち一つに 県高校野球秋季大会 南農、南部商、辺土名


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 第66回県高校野球秋季大会はベスト8が出そろった。来春の「センバツ」が懸かる九州大会出場まで各チームともあと2勝。大詰めを迎えている。熱戦が繰り広げられている中で、敗退したチームにも、爽やかな風を球場に吹かせた3校連合チームや延長15回引き明け再試合を戦い抜いたチームなど、好試合は多い。印象に残った試合や場面を紹介する。

◆気持ち一つに“連合”

計9人で1回戦に挑んだ南部農林、南部商業、辺土名の連合チームの選手=17日、コザしんきんスタジアム

 身に着けるユニホームは違っていても、選手9人の気持ちは一つだった。

 17日にコザしんきんスタジアムで行われた高校野球秋季県大会の1回戦。南部農林、南部商業、辺土名の3校が組んだ連合チームが試合に臨んだ。結果は那覇工業に七回コールド負けとなったが、主将の照屋徹(南部農)は「チームの雰囲気は良くて団結して戦えていた」と達成感をにじませた。

 これまで何度か連合チームを組んだ南部農と南部商が、辺土名を迎え入れて今大会に臨んだ。一緒に練習ができるのは土日のみ。恵まれた環境ではなかったが、「チームワークを上げることを常に意識していた」(照屋)。最初は遠慮しがちだった雰囲気も、選手同士が会話を増やし、一つにまとまったという。

 試合は六回まで無安打に抑えられ、7点のリードを許す苦しい展開だった。それでも七回に2番・知花泉(辺土名)と3番・大城雷希(同)が連続で安打を放って意地を見せた。得点には至らなかったが、知花は「みんなで一つになって戦おうと思って打席に立った」と振り返った。

 春季大会も3校の連合チームで出場する予定だ。照屋は「もっとミスを少なくして1勝をつかみ取りたい」と団結力での勝利を目標に掲げた。(平安太一)