沖縄の最低賃金きょうから714円 6万人超引き上げ


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 県内の2016年度の最低賃金が10月1日から21円増の714円になる。02年度に現在の時給で示す方式になって以降、引き上げ幅は最大で、700円台になるのは初めて。労働者にとっては朗報だが、パートやアルバイトの労働力に頼る中小企業からは負担を懸念する声も上がる。県内の労働者全体の14・5%に当たる約6万人超の労働者が引き上げの対象とみられる。

 沖縄の最賃は宮崎県と共に全国で最も低く、最高の東京都(932円)と218円の差がある。安倍晋三首相は6月に公表した「一億総活躍プラン」で、全国平均の最賃を千円とする目標を掲げている。

 一方で最賃の改定は例年10月ごろにされることから、2~3月に官公庁のビル清掃業務を契約する清掃業者からは、10月以降の引き上げに伴う給与の負担増を懸念する声が上がる。

 県ビルメンテナンス協同組合は「数年前まで(負担額を)吸収できていたが、限界に達してきている。改定時期を翌年の4月にしてほしい」などと訴えている。これを受けて連合沖縄は、年度途中の契約変更などを求める要望書を関係機関に提出して対応を求めた。

 沖縄労働局は最賃引き上げの影響を受ける中小企業支援として、業務効率化に向けた業務改善助成金制度を8月24日から拡充した。問い合わせは雇用環境・均等室(電話)098(868)4403。

 経営や労務管理の課題の相談に無料で応じる県最低賃金総合相談支援センターも設けている。問い合わせはフリーダイヤル(0120)420780。