キングス、Bリーグ初勝利 Bリーグ第3戦


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
第4Q 逆転となるシュートを決めるキングスのアンソニー・マクヘンリー=1日、沖縄市体育館(具志堅千恵子撮影)

 プロバスケットボールBリーグとなって初の地元開催となる琉球ゴールデンキングスのホーム開幕戦が1日、沖縄県の沖縄市体育館で滋賀レイクスターズを迎えて行われ、59-56で競り勝ち、今季第3戦でBリーグ初勝利を手にした。

 第1クオーター(Q)、キングスは持ち前の速いパス回しからの速攻が決まり、25-9と大きくリード。第2Qは滋賀の堅い守備を前にキングスのシュートがことごとくリングをはじく中、滋賀の得点を許し1点差で折り返した。第3Qは逆転を許すが、山内盛久の3点弾などが決まり同点に。第4Qはアンソニー・マクヘンリーらの活躍でリードし、逃げ切った。両チームが得点機を逃し、我慢する展開が続く中、満員の観客(ブースター)の声援がキングスのBリーグ初白星を後押しした。キングスは2日、同体育館で滋賀と第2戦を行う。(観客3520人)

琉球(1勝2敗)
 59―56(25-9,6-21,13-14,15-12)
滋賀(3敗)

 【評】キングスがロースコアの我慢勝負のゲームで冷静さを保ち続け、勝利をもぎ取った。第1Qはキングスらしい速攻がさえた。第2Q以降、プレーが消極的になり、重い雰囲気の中、追い上げられ、第3Qに一時逆転を許した。山内の3点弾とマクヘンリーの体を張ったシュートで逆転し、逃げ切った。(関戸塩)

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 キングス、滋賀ともBリーグ初勝利を懸けた勝負の第4Q、44-44の同点でスタートした。激しいぶつかり合いが多くなり、流血の退場者も出る中、パスカットやターンオーバーでも得点につながらず、両チームとも2分以上得点できない。

 重苦しい雰囲気の展開。24秒間、滋賀の攻撃を耐え抜いてキングスがボールをつかむと、アンソニー・マクヘンリーがフェイントをかけながら敵陣中央に切り込んだ。バスケットカウントを得ながらの同Qの初得点。フリースローも決めて、流れを引き寄せた。敵将・遠山向人HCは「一番重要な局面で決められた」と悔しがった。

 第1Qこそ、速いパス回しを生かし、16点差でキングスはリードしたものの、両チームの良さをつぶし合う試合になり、点差は縮まっていった。主将の岸本隆一は「消極的になっていた」と振り返る。

 逆転され、5点差まで開いた第3Q残り1分に山内盛久が3点弾を決めて、キングスは息を吹き返す。津山尚大もシュートを決め、同点で第4Qに持ち込めた。

 勝利を呼び込むプレーにマクヘンリーは「チャンスが巡ってきただけ」と語る。喜多川修平、岸本らの名前を挙げ「うちのチームは誰もが流れを変える力がある」と笑顔を見せ、Bリーグ初勝利をかみしめた。(関戸塩)

◆ハミルトン、要所で得点
 新加入のラモント・ハミルトンが要所で得点につながる低いパスを出し、リバウンド、得点も重ねる活躍ぶり。記念すべきキングスBリーグ初勝利試合のMVPとなった。東京での開幕1、2戦ではチームとかみ合わないプレーもあったが、この試合では連係に磨きが掛かった。
 身長208センチ、体重116キロの巨漢は「僕はタフにプレーするだけだ。レベルが上がったリーグで、しっかりと準備して役割をこなす。一つでも勝ちをもぎ取りたい」と語る。伊佐HCは「今日のゲームは彼で成り立っていた。彼の力はまだまだ出せる」と期待した。

◆会場の雰囲気に鳥肌
 伊佐勉HC(キングス)の話 会場の雰囲気には鳥肌が立った。やっと1勝できてほっとしている。先週の開幕戦はいつもと違ったゲームをしてしまった。今日からキングスらしいゲームをしようと選手たちに声を掛けた。