塩分抑えた沖縄島豆腐 コープおきなわが新商品 主婦委員が開発


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
国産大豆と天然にがりでつくった「琉木綿」を手にするコープおきなわの組合員=9月30日、那覇市のコープ首里

 「豆腐の日」の10月2日に合わせ、コープおきなわ(本部・沖縄県浦添市、山本靖郎理事長)は食塩を加えず天然にがりだけで仕立てた豆腐の新商品「琉木綿」を発売した。「沖縄の島豆腐は塩辛い」という県外出身の子育てママらの意見を基に、主婦6人を中心とした開発委員が企画・開発した。沖縄の伝統製法による木綿豆腐の重厚感はそのままに、塩分を従来の半分に抑え、国産大豆100%使用にもこだわった。

 「赤ちゃんや食事調整が必要な人でも塩分を気にせず食べられる島豆腐をつくろう」と、沖縄の食文化の継承と家族の健康を願う商品づくりとして企画がスタート。国産大豆使用で定評のある永吉大豆加工所(那覇市繁多川、永吉史弥社長)の協力を得た。

 島豆腐の塩加減は海水を使用してきたことに由来する業界のこだわりであり、食塩を添加すると大豆の甘みが引き立つ。永吉社長も「塩が入っていない島豆腐をつくっていいものか悩んだ」という。沖縄の人が納得する豆腐らしい味や食感を出すためにメーカーと開発委員で試行錯誤を繰り返し、2年がかりで商品化に至った。

 琉木綿の1丁(250グラム)当たりの塩分量は0・16~0・18グラム。にがりに含まれるだけの量で、通常の島豆腐製品に比べ半分の値だ。沖縄の豆腐らしい固さはあるので、チャンプルー料理でも身が崩れない。白玉粉と一緒にこねて白玉だんごにすると口溶けが良いなど、塩味が薄いためスイーツにも向いている。

 コープおきなわ那覇東ブロック理事で開発委員の西尾舞さんは「県外から来て初めて島豆腐を食べると塩味を強く感じる。島豆腐の良さを残しながら、赤ちゃんにも食べさせられる商品をつくりたかった。調理の際に家庭の好みで味付けできる」と話した。