陸自配備「撤回を」 宮古・野原部落会、防衛省説明に不満


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「千代田カントリークラブ」への陸自配備に意見を述べる野原部落会の住民ら=2日、宮古島市上野の野原公民館

 【宮古島】宮古島市への陸上自衛隊配備計画で、防衛省は2日、配備候補地の「千代田カントリークラブ」(市上野野原)に隣接する野原部落会(島尻信徳会長)を対象に、野原公民館で住民説明会を開催した。同省は千代田を選定した理由を「島の中央にあり災害時の拠点として活用できる」などとした。住民から「千代田を防災公園にする計画があったが、自衛隊が来るということで棚上げになった」と指摘があった。説明会終了時には計画の「白紙撤回」を求める声が会場を包んだ。説明会には住民約30人が参加した。

 野原部落会は今年3月に、部落会として「千代田―」の陸自配備について反対決議を採択している。同省による配備候補地周辺住民に向けた説明会は9月20日の千代田部落会などに引き続き2回目。

 「千代田―」の活用を下地敏彦市長が防衛省に提案していたことについて、防衛省の担当者は「意見交換はしたが、どなたかの提案に基づいているわけではなく、防衛省として判断した」と述べた。

 伊藤部長は千代田に地対艦・空ミサイル部隊は配備するが、ミサイルそのものを保管する弾薬庫の設置はないと説明。住民は「弾薬庫の設置場所が決まってから説明してもいいのではないか。どうして急ぐのか」などと訴えた。伊藤部長は「弾薬庫の設置場所を検討しつつ、部隊配置もさせていただきたい」とした。

 上里清美さんは「市長と仲良くしないといけない防衛省は、市長から『(千代田を)買ってほしい』と言われ、受け入れたのだと思う。住民は見抜いているし、だまされない」と憤慨した。