FC琉球 勝利スルリ サッカーJ3第24節


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後半、先制ゴールを決め、その後も追加点を狙い果敢にシュートを放つFC琉球のFWパブロ=2日、県総合運動公園陸上競技場(花城太撮影)

 サッカー明治安田J3第24節第2日のFC琉球は2日、県総合運動公園陸上競技場で首位の栃木SCと戦い、1―1で引き分けた。琉球新報冠試合だった。琉球は9勝6分け9敗、勝ち点33で8位。琉球は0―0の後半20分、途中出場のFWパブロが先制を決めたが、終盤に追い付かれた。
 次節は16日午後1時から、Y.S.C.C.横浜とニッパツ三ツ沢球技場で対戦する。

(2)沖縄県(栃木1勝1分け)
琉球 9勝6分け9敗(33)
1―1(0―0,1―1)
栃木 14勝6分け4敗(48)
▽得点者【琉】パブロ(7)【栃】広瀬健(2)
▽観衆 1473人

 【評】FC琉球にとっては、先制ゴールを振り出しに戻される課題の終盤と、相手フリーキックのへの対応力の弱さが露呈した試合となった。FC琉球は後半20分、後半から出場したFWパブロがMF田中恵太を中継して先制。同42分、栃木のフリーキックからロングパスで一気に切り込まれると、守備陣の反応が遅れ同点ゴールを許した。
(崎原有希)

◆試合運びが課題
 金鍾成監督(FC琉球)の話 「いかに結果に結び付けるかがこれからと来季のテーマだ。先に点を取り惜しい感があるが、内容的には互いがチームの特長を生かしたゲームだった。得点をしてからは守備陣から蹴る回数が増え、メンタル面や試合運びが一つの課題だ。決め所をどう決めるか。簡単なことではないので続けてやっていく」

◆パブロ反応 先制弾/好機生むも決定率低く
 目前にあった勝利がこぼれ落ちた。FC琉球は前後半合わせ16本のシュートを放ったが、あと1点が遠かった。台風が近づき強い風が吹く中で行われた首位・栃木SCとの一戦。持ち味のパスサッカーでボールを支配し何度も好機を演出したが、決めどころでゴールネットを揺らせなかった。

 互いに無得点で迎えたハーフタイム。「後半は互いのサッカーのぶつかり合いになる。どうこじ開けていくか。そこで勝敗が決まる」(金鍾成監督)と後半に挑んだ。前半、FWレオナルドがいい動きを見せていたが、流れを変えるためにFWパブロとの交代を決断。采配がはまった。

 後半から出場したパブロは同25分、MF田中恵太にパスしたボールを田中がトラップすると、こぼれ球に反応して相手キーパーの逆を突き、先制を決めた。「展開が速すぎて覚えていない」と笑うも「いい準備をしていたからうまく合わせられた」と胸を張る。

 一方、守備では新たな課題も見えた。終盤のFKの場面だった。守備陣の間に来たボールに対して動きが止まり、ボールへの反応が遅れ、失点した。

 琉球は身長の低さをカバーするためFKの際はマンツーマン守備からゾーン守備に変更していたが生かせなかった。GK朴一圭は「任せるのではなく自分がいくということを突き詰めれば、安易な失点を防げた」と反省する。さらに「集中力の維持や声掛けなどコーチングの面も向上させていかないと失点は消せない」と守備の強化を誓った。
 (崎原有希)