【キラリ大地で】アメリカ レイモンド・金城さん 保険事業従事の県系2世


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語学生かし事業を展開

金城義男さん(左)と息子のレイモンドさん

 アメリカ社会の日系移民の歴史を簡単に振り返ってみると、第2次世界大戦前と戦後の移民には多少の違いが見えてくる。1960年代以降からの移民は「新1世」と呼ばれ、日本から米国への移民も様変わりした。より開かれたアメリカ社会、「フリーダム」という言葉に引かれた若者がアメリカに勉学に来て、その後永住権を得て、米国に移り住んだ者が多かった。

 ビジネスの面でも、最初のころの移民は、農業の日雇い労働者やガーデナー(庭園業)として一生懸命に働き、子弟を大学まで出した。勤勉さと真面目さが基盤となって日系人は米社会で徐々に受け入れられるようになり、その地位が認められるようになった。

 新1世移民の多くは庭園業などのブルーカラーに依存せず、さまざまなビジネスに携わっていくようになった。

 浦添市出身の新1世金城義男さんもその一人、一代で築いた保険事業で成功した。この項では、後継者長男のレイモンド・金城さんを紹介する。

 レイモンド・金城さん(34)は南カリフォルニア生まれ。南カリフォルニア大学(USC)で学士号を取得し、インベストメント(投資)マネジメントの仕事に6年携わる。

 その後アリゾナ州にあるサンダーバード国際経営大学院修了(MBA取得)、在学中はベトナムに渡り在ベトナム・アメリカ大使館で1年間のインターンシップを経験。卒業後は東京の昭和シェル石油に3年間勤務する。その後アメリカに戻り3年前に、父・金城義男さんの保険会社を継承し現在に至る。

 これまでの経験を生かし、投資や保険のファイナンシャルアドバイザーとして活動の場を広げ、父親と同じくトップ・ビジネスマンとして多くの賞を獲得、将来に大きな希望を抱くようになった。「2世だが英語と日本語に精通しており、語学を駆使して、父親から継承した事業を最大限に伸ばしていきたい」と抱負を語った。

 今年8月6日に千葉県出身の大西めぐみさん(35)と婚約したばかり、公私ともに今後の活躍が期待されている。
(当銘貞夫通信員)