新基地建設中止を 米の沖縄県系人ら、ホワイトハウス前で訴え


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
名護市辺野古への新基地建設問題を伝える写真を見詰める観光客ら=2日、米ワシントンのホワイトハウス前

 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】米国在住の沖縄県系人らでつくる「オキナワ・ピース・アピール」は2日、ワシントンのホワイトハウス前で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設や米軍北部訓練場の新たなヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設を巡る問題を訴えた。退役米軍人らでつくる平和団体「ベテランズ・フォー・ピース(VFP)」のメンバーも参加した。

 メンバーらは観光客らでにぎわうホワイトハウス前で「沖縄の人たちはオバマ大統領にヘリパッド建設と新基地建設を中止することを主張する」と英語で書かれた横断幕を持ち、沖縄の現状を説明するチラシを配布したほか、写真も展示した。通行人らはしばし足を止め、真剣な表情でメンバーからの話を聞いたり、写真を見たりしていた。新基地建設予定地の大浦湾のサンゴや熱帯魚の写真とゲート前や海上で反対する市民を捉えた写真のギャップに驚きを示す人たちもいた。

 「オキナワ・ピース・アピール」は昨年6月の翁長雄志知事による訪米要請行動を契機に、沖縄の声を多くの人に届けようと結成、現在約560人が参加している。

 メンバーで、今帰仁村出身の大山紀子さん(64)=ニュージャージー州在住=は「オバマ大統領に今の沖縄の現状を訴えたくて、急きょ開催した。沖縄の声を受け止めてほしい」と強調した。

 イラク戦争に参戦した元海兵隊員の息子を持つ長島志津子さん(66)は「息子はイラクに派遣される前に沖縄にいた。『地獄を見る前に天国を見せる』と聞いたことがある。沖縄の米軍基地がどのように使われているのかがよく分かる。戦争をしないために沖縄の人たちと一緒に闘いたい」と語った。