大城(少年62キロ)制覇 岩手国体重量挙げ男子


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重量挙げ競技少年男子62キロ級で完全優勝した大城良太

 【岩手国体取材班】第71国民体育大会「2016希望郷いわて国体」の重量挙げ競技が3日、岩手県奥州市の江刺中央体育館で行われ、少年男子62キロ級の大城良太(豊見城高)がトータル、スナッチ、ジャーク全てで頂点に立ち、今大会の重量挙げで県勢最初の優勝を「完全V」で飾った。

◆大城 勝負強さ発揮/精神力 大舞台で輝く

 重量挙げ競技少年男子62キロ級で完全優勝。勝負どころで確実に試技を成功させた大城良太の精神力が、大舞台で輝いた。

 スナッチ、ジャークの最終試技はともに、失敗すれば2位となる緊張の局面だった。「練習通りにやれば大丈夫」と言い聞かせ、バーベルを頭上に差し上げた。沖縄チームは同競技史上初の団体5連覇が懸かる。「絶対にポイントを取りたかった」。3枚の1位の賞状を手にした「王者」の表情が緩んだ。

 今大会で出した記録は62キロ級での自己ベストだ。8月の全国高校総体では一つ上の69キロ級で出場し4位。表彰台を逃した。今回は体重調整の問題で62キロ級に戻る形に。同級では昨年の和歌山国体でスナッチで優勝し、トータルで2位に入った。それから1年。当時の成績からトータルで15キロ近く伸ばし、頂点に立った。

 実は、5月の全国高校総体県予選辺りから、調子が上がらなかったという大城。8月下旬から始まった国体メンバーの強化合宿が転機だった。毎週末に泊まり込みで朝昼のトレーニングを実施。自己ベストに近い重い重量のバーベルを練習で何度も繰り返し持ち上げた。「あの練習のおかげで、勝負所でもリラックスできた。練習は試合通りに、試合は練習通りに」

 合宿にはナショナルチームにも選ばれている69キロ級の宮本昌典や、105キロ超級の知念光亮らがいた。「すごい選手が周りにいて刺激になる。強い人は安定してバーベルを上げる」と、身近で世界レベルを体験できたことが大城を成長させた。

 来春の高校卒業後も大学に進学し競技を続ける。「もっとフォームに磨きをかけたい」と向上心を燃やす。2020年には東京五輪が開かれる。「意識はしている。出られるならば出たい」と明確な夢を描く。
 (安富智希)