歌と踊りで歴史絵巻 8、9日 浦添の子ら「尚寧王」上演


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ミュージカル「尚寧王」の本番に向け、熱気あふれるけいこを続ける出演者ら=9月29日、浦添市のてだこホール

 【浦添】浦添市の児童生徒らによるミュージカル「尚寧王~アオリヤエ尚寧王妃の詩~」(浦添市文化芸術振興事業実行委員会主催、同市共催)が8、9の両日、同市のてだこホールで開かれる。小中高生を中心に約60人が出演し、浦添ようどれなどを舞台に歌と踊りがあふれる歴史絵巻を繰り広げる。本番に向け、仕上げのけいこに熱が入っている。

 小学3年生から72歳までが舞台に立つ。7月上旬から約3カ月、基礎的な演技や歌、ダンスなどを学ぶワークショップに参加し、表現力などを磨いてきた。歴史ガイドによる講話で、尚寧王や浦添ようどれについて学ぶ機会もあった。

 薩摩の侵攻を受ける琉球の時代を舞台に、民を思う尚寧王の姿や、王妃のアオリヤエ(阿応理屋恵)との愛などを描く。体いっぱいを使ってのダンスやコミカルなやり取りも盛り込まれている。

 2014年までの公演4回はアオリヤエが主役のミュージカルやオペラだった。今回初めて尚寧王が中心のストーリーになる。

 アオリヤエ役の平良莉子さん(浦添高3年)は「前半はテンポが速くコミカルで、後半はシリアスな場面になる。うまく切り替えたい。尚寧王を一番近くで支える優しく明るい人柄を出せたらと思う」と話す。

 白い箱を積み上げての場面転換や、ダンスに出演する安武穂乃果さん(沖縄カトリック小5年)は「楽しい舞台にしたい。みんなに笑顔を与えたい」と張り切っている。

 役者で尚寧王役の金城裕一さん(24)は「舞台を通し沖縄の歴史を知ってほしい。人情に厚く、民に愛される王様を演じたい」と意欲を語った。

 脚本・演出の岸本尚泰さん(39)は「歴史物だが堅苦しくなく、毎回違った面白さがあるような舞台にしたい。高校生ら若い人たちに、舞台を通じて学校では得られないような経験をしてもらいたい」と話した。